SoMとしてのRaspberry Piの活用と組み込み開発
当コラムでは、Raspberry Piの活用と組み込み開発について、SoMの視点から解説していきます。
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SoMって何?
SoM(System on Module)とは、システム全体を小型のモジュールとして集約したもので、CPU、メモリ、ストレージ、そしてI/Oポートなどの重要なハードウェアコンポーネントが一つのボード上に統合されています。メインボードと接続して利用することで、特定の機能を、複雑な開発を行わずに付加することが可能になります。
SoMの活用により製品開発リードタイムの短縮が可能となり、CPU周辺回路のような複雑な開発も不要となるため、開発工数の低減を実現できます。
SoMとSoCの違い
SoMとよく比較されるのがSoC(System on Chip)です。SoCは、一つのチップ上にCPU、GPU、メモリなどの機能を集約したものです。SoMとSoCの主な違いは、SoMは複数のチップや部品が一つの基板に搭載されているのに対して、SoCは単一のチップ内に機能が集約されている点です。SoMはSoCと異なり、想定された用途に適した回路や部品を含んでおり、電源仕様や入出力仕様など基本機能が明確な場合に使用されます。
SoMとしてのRaspberry Pi Compute Module
Raspberry Pi Compute Moduleは、Raspberry PiのSoMです。このSoMは、Raspberry Piが保有する機能を小型のモジュールに凝縮したもので、組み込みシステムの開発に使用されています。Raspberry Pi Compute Moduleは、標準的なRaspberry Piと同様のCPU、メモリ、そして周辺インターフェースの機能を備えていますが、より小型で、メインボードに接続して使用することができます。
組み込み開発にRaspberry Pi Compute Module を用いることのメリット
Raspberry Pi Compute Moduleを組み込み開発に使用することには、以下のメリットがあります。なお、Raspberry Piのメリットについては以下のコラムでも紹介していますので、ご確認ください。
>>Raspberry Piを活用した組み込み開発のメリット!
開発リードタイムの短縮とカスタマイズ性
Raspberry Pi Compute Moduleは、Raspberry Piのもつ汎用的な機能が搭載されていながら小型であり、開発リードタイムを短縮したいカスタム基板の開発に最適です。求めるI/Oポートや機能のカスタム性は高く、メインボードに簡単に機能を付加することができます。
低コスト
Raspberry Piは、比較的安価に入手できる組み込みボードとして知られています。Compute Moduleも例外ではなく、低コストで高性能な組み込みシステムを構築することが可能です。
ソフトウェアライブラリが豊富
Raspberry Piは、ソフトウェアライブラリが豊富であり、既存のソフトウェアを活用してボード開発が可能です。LinuxベースのOSを使用することで、オープンソースのリソースやツールを簡単に統合することができます。
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組み込み機器・ハードウェア 設計製作.comを運営するアイディアイでは、Raspberry Pi Compute Moduleをはじめとして、SoMを活用した組み込み開発を行っています。まずはお気軽にご相談ください。
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