組み込みソフトウェアとは?搭載機器や開発の流れ、開発言語について解説!
組み込みソフトウェアとは、ある特定の機能を実現したシステムを用いて作られた機器に搭載され動作を制御するプログラムのことです。
この記事では、組み込みソフトウェアを搭載している機器の具体例、開発の流れ、そのプログラミング言語を解説しています。組み込みソフトウェアの基礎知識を知りたい方にぜひ読んでいただきたい記事です!ぜひご覧下さいませ。
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組み込みソフトウェアとは?
組み込みソフトウェアとは、組み込み機器に搭載され、動作するソフトウェアのことを言い、組み込み機器の動作を制御するプログラムです。
ここでいう組み込み機器とは、コンピュータを埋め込み、ある特定の機能を実現したシステムを用いて作られた機器のことです。
組み込み機器について、詳しく解説している記事もございますので、気になる方はそちらもぜひご覧ください。
組み込み機器はよくパソコンと対比されます。パソコンは汎用用途のため、それだけ多様な機能を発揮するため、高性能なCPUを必要とします。一方、組み込み機器は、特定の用途・目的を果たすものです。そのため、組み込みソフトウェアの機能も限られ、必要最低限のハードウェアと必要最低限のソフトウェアで構成されます。そのため、パソコンに比べ安価なものが多いのが特徴です。
組み込みソフトウェアを搭載している機器の具体例
組み込みソフトウェアを搭載している機器は身の回りにたくさんあります。
というのも組み込み機器は、私たちの身の回りにあふれているからです。
私たちが日々使用している、冷蔵庫や洗濯機、炊飯器をはじめとする架電や、デジタルカメラなどの電化製品は組み込みソフトウェアを搭載しています。
コピー機やプリンタ、テレビなど私たちが日々、目にしている電子機器のほとんどは組み込み機器であり、組み込みソフトウェアが搭載されており、各機器の動作を制御しているのです。
組み込みソフトウェアの開発の流れ
組み込みソフトウェアの開発は、
①開発環境の整備
②プログラム記述、文法エラー修正
③ハードウェア上でのデバッグ
④プログラム修正の上清書
という大きな流れで開発を行います。
上記にある、組み込みソフトウェアの開発の流れは、パソコン上で動作する一般的なソフトウェアの開発の流れとある一点を除いては、大きく差はありません。
組み込みソフトウェアと、パソコン上で動作するソフトウェアの開発の重要な違いは、
開発環境と動作環境が一緒か否かという点です。
パソコン上で動作するソフトウェアは、開発環境と動作環境が同一であるため、パソコンのみで、開発とデバッグ作業を行うことができます。
一方で、組み込みソフトウェアは、開発環境と動作環境が別々です。そのため、パソコン上で作成したプログラムを組み込み機器に搭載し、ソフトウェアのプログラムを1行ずつ組み込み機器側で実行させ、その結果をパソコン側に表示させ、デバッグ作業を行います。そこで、パソコン側と、組み込み機器側での通信・制御の作業が必要となり、ICEやJTAGといった機器を使用したクロス環境で行うことになります。
組み込みソフトウェア開発の言語
ソフトウェア開発に利用される言語では、C言語を拡張したC++、C#、Java、PHPなどが多いです。
ただし、上記のような高級言語を使用できないハードウェアを用いた開発の場合はアセンブラを使用しなければなりません。
近年では、組み込みソフトウェアに使用できる言語が増えてきたことに加え、C言語には、「処理速度が速い」などの特徴があるように、それぞれの言語には特長があるので、組み込み機器の用途に応じて、ソフトウェアの開発言語を選定するようになってきています。
組み込みソフトウェアと組み込みOS
組み込みOSは、ソフトウェアの管理やハードウェアとの連携を円滑にし、システム全体を効率的に制御する役割を担います。
一般的なPC向けのOSとは異なり、組み込みOSはハードウェアの制約や消費電力の低減などを考慮し、特定用途に最適化されている点が特徴です。そのため、組み込みOSは要求仕様に応じて選定・カスタマイズされ、ソフトウェアとともに最適化されます。
組み込みOSの種類
組み込みOSとして代表的なものとして、リアルタイムOS (RTOS)、LinuxOSの2つがあります。
リアルタイムOS (RTOS)
リアルタイムOSは、リアルタイム性能が高いOSです。リアルタイムOSの特徴としては、タイムクリティカルな処理や高い信頼性が挙げられます。
LinuxOS
Linuxをベースとした組み込みOSも広く利用されています。オープンソースであるためカスタマイズがしやすく、多様なハードウェアプラットフォームに対応できる点が特徴です。特にIoTデバイスなど、ネットワーク接続機能を備えたデバイスでよく使われています。
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