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技術情報・技術コラム

回路図がなくてもOK?電子基板を複製・代替製作するには

電子機器の長期使用や電子機器メーカーの撤退、設計資料の紛失などにより、回路図が手元にない状態で電子基板を再製作しなければならないケースは少なくありません。特に高単価になりやすい産業機器・装置では、装置全体を買い替えるよりも基板のみを修理・製作する方がコストを抑えられる場合も多くあります。
回路図が残っていない場合、どのように複製や代替製作を進めるのでしょうか。

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回路図が残っていないとどうなる?

通常、基板の修理や製作には回路図が必要不可欠です。部品の種類や接続関係、信号の流れなどが分からなければ、正確な再現は困難になります。回路図がなければ、

  • 故障箇所の特定が難しい
  • 基板の機能を理解できず再設計できない
  • 代替部品の選定が困難

 といった問題が生じます。そのため、メーカーによるサポートが終了している場合や、古い製品で図面が残っていない場合、基板が故障すると装置全体が使えなくなるリスクがあります。

それでも複製・再設計が可能な理由

近年では、回路図がなくても現物の基板を解析することで複製や再設計が可能になっています。基板上のパターンや部品配置を高精度に解析し、回路構成を推定する技術が進歩しているためです。

また、回路全体を完全に再現するのではなく、必要な機能だけを実現する代替基板を設計する方法もあります。これにより、古い部品が入手困難な場合でも、最新の部品に置き換えた設計が可能となります。

現物解析の方法とポイント

現物基板を解析する場合、以下の手順が一般的です。

  1. 部品リスト化
    基板上の部品を1つずつ調査し、型番や仕様を特定します。
  2. 基板パターン解析
    回路・パターンを解析し、配線パターンをデータ化します。また、マイクロスコープ等の測定機を用いて、パターン幅の特定等も実施します。
  3. 回路動作の確認
    動作中の信号を測定し、電源電圧や信号波形を確認して設計情報を補います。
  4. CADデータ化・再設計
    解析結果をもとに回路図・基板パターンをCAD化し、必要に応じて部品の置き換えや改良を行います。

この過程では、オリジナル基板の機能を正確に把握することが重要です。解析時のミスや部品の誤認識は、動作不良や信頼性低下の原因となるため、豊富な経験と測定機器が欠かせません。

基板代替製作の精度と制約

回路図なしの複製にはいくつかの制約もあります。例えば、多層基板や高周波回路、特殊なカスタムICが搭載された基板では、完全な複製が難しい場合があります。また、古い部品が廃番になっている場合には、同等の機能を持つ代替部品で再設計する必要があります。

ただし、装置全体の動作要件を満たすことを目的とした代替基板設計であれば、部品の置き換えや回路変更を行いながら、オリジナル以上の性能や保守性を持たせることも可能です。

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