組み込み機器 設計開発ナビ
組み込み機器は文字通り機器に組み込まれることを想定して作られるため部品の一つとして考えることができます。組み込み対象の機器/装置が問題なく動作するよう機器相互の問題を防ぐよう設計時に考慮する必要があります。
ここでは組み込み機器設計時のポイントをご紹介します。
組み込み機器を設計開発する上でのポイント
組み込みボード・ハードウェアを組み込んだ中間機器として製作する場合、最終システムに組み込まれた状態で長期間に渡る安定した動作が求められます。接続・設置に関する要件は個々に検討が必要となりますが、ここでは確認しておきたい設計のポイントをいくつかご紹介いたします。
・POL電源レイアウト
電圧低下や発熱などの影響を小さくするため、なるべく電源の集中化・共用を避け、分散して各負荷の近傍に配置します。モジュール・回路ごとに電源を設置することで局所的な異常がシステム全体に影響を及ぼすことを防ぎます。
・アイソレート
ノイズの影響を防ぐため外部機器間の電源ラインおよび信号ラインにアイソレータを使用してグランドを分離させます。内部電源については個々に電力供給の対象デバイスを明確化し、電流の経路を設定します。
・フォールトトレランス
負荷短絡などの異常を想定し、短絡保護機能が内蔵された電源を採用します。また、過電圧保護・加熱保護のための機能を採用します。
当社の組み込み機器 設計代行事例
POINT CAN通信治具 設計開発
RS232Cを介してCAN通信制御を行う通信治具を開発した事例です。
お客様のご要望に基づき、以下のような仕様を組み込みました。
①CANの機能が入っているマイコンを選定
②受信、手動送信、自動送信に対応
③ハードウェアはHighspeed/Lowspeed/SingleWireに対応
④DTCを使用し、少ないハードリソースでもレスポンス低下を回避
今回使用したマイコンにはCANID32個を扱える機能が入っているが、IDを超える仕様であり、DTCを活用して対応しています。
POINT Bluetooth通信治具 設計開発
Bluetooth通信治具を開発した事例です。
お客様のご要望に基づき、以下のような仕様を組み込みました。
①基板のSDカードに入れたWAVファイルをBluetoothを介して製品に送信し、製品のヘッドフォンから音声出力
②基板内マイコンのプログラムにてオーディオデータ(サイン波)を生成し、Bluetoothを介して製品に送信し、製品のヘッドフォンから音声出力
③製品のマイクから入力されたオーディオ信号をBluetoothを介して基板にて受信し、基板上のDACを介して基板のアナログポートから出力
納入時には使用していませんが、A2DPプロファイルにも対応可能な仕様としました。
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