組み込みハードウェア 設計開発ナビ
組み込みハードウェアで機器専用のデジタル回路を搭載するシーンにおいてはFPGAが利用されることがあります。大規模回路を搭載でき後から書き換えができて非常に便利なFPGAですが、小ロット・短納期などのニーズに合わせて採用を検討する際には工夫が必要です。ここでは組み込みハードウェアにおけるFPGA活用の際のポイントをご紹介します。
組み込みハードウェアを設計開発する上でのポイント
FPGAは大規模回路を搭載することができる半面、通電中にどのように動作しているか把握しづらく、試作後にデバッグ時間がかかることがあります。最終動作で問題が大きくならないようなるべく小さい機能単位で確認を行いながら設計を進めていきます。
・ボトムアップ設計によるデバッグ工数短縮
基本機能から実装してテストし、徐々に機能を追加したサブモジュールを作成して進めます。
最終的なプロジェクトは論理合成に時間がかかることが多いため個々のモジュールごとにプロジェクトを分けて確認を行い、トップレベルではモジュール間の接続確認を行います。
・回路テストのための回路
必要に応じてモジュールテストのためのテストモジュールを作成し相互に動作させて確認を行います。実ICの動作テストや、通信異常時の問題の切り分けを行う場合にも有効です。
・ソフトウェア併用によるデバッグ工数短縮
動作が多岐に渡るケースではマイコンとFPGAを併用し、メインの動作をC言語で記述した方が、現場での調整、のちの設計変更などにスムーズに対応することができます。動作ステータスや各モジュールの動作パラメータを外部から参照・設定可能なレジスタとすることでハードウェアの動作・用途に幅をもたせられるよう考慮します。要求に合わせて短時間で動作を調整できるように構成することでデバッグ工数の短縮を図ります。
当社の組み込みハードウェア 設計代行事例
POINT VMEバスボード リバースエンジニアリング
稼働中の産業機械について、68000 CPU基板が使用されており、ゲートアレイとして過去にお客様が製作されたASICが搭載されていましたが、再製作が困難の状況となっていました。
該当のASICにはZ80SIOが含まれておりましたが、CPUソースコードから使用されているレジスタや動作を追跡して互換IPを作成して対応しました。
古い回路のためIO電圧が5Vでしたがレベル変換のためのICを配置するスペースがなく5V動作可能なFPGA、CPLDを選定しなくてはならないなどの課題がありましたが、個々の回路の検証を行った上で実際に設備を使用されているエンドユーザ様に直接赴き実機確認まで行いました。プリント基板の設計、部品実装も社内一貫で対応しました。
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